2021-11-24
私が勤めていた新聞社は、甘ったれた人間がのさばる会社だった。
文化部デスクをやっていた時、上司のOH,NO!部長は、父親の具合が悪いと言って一カ月以上会社に出てこなかった。
部長といえばもちろんその部の最高責任者である。
それが一カ月以上も職場に顔を出さないばかりか、「どう、変わったことはない?」と心配する電話の一本すらなかった。
父親が亡くなるまで仕事はすべてデスクに放り投げて平気の平左だった。
父親の看病を彼一人が24時間しているわけ?
母親もいるし、会社にはOH,NO!の兄もいた。
しかし、局長や局次長も部長を注意するでもなし。
ふだんからひどい男で、毎年春秋に新聞社主催の短歌大会と俳句大会があって(つまり4回)、それぞれ文化部長が挨拶することになっているのだが、日曜はゴルフをしたいもんだから、4回とも私に挨拶させていた。
私は編集部デスクの時も同じ目に遭った。
同期の寸二郎というデスクがやはり親の病気というんで一カ月ほど会社を休んだ。
私を含め他のデスクが、休日をつぶしてカバーした。
編集部というのは夜勤シフトで4勤2休だが、たいてい特出が入って5勤1休になる。そこに寸二郎の代打が入ると、簡単に10連勤、11連勤になってしまう。大変な負担なのだ。
ちなみに私も編集部デスクの時に父を亡くしたが、死亡当夜まで一日も休まなかった。
だから死に目にも会えなかった。
それが普通だろう。OH,NO!や寸二郎みたいな人間は他に知らない。それが2人とも同じ部にいたフの悪さ(不運)。
付け加えると、編集部にはもう一人同期のデスクがいたが、横暴部長のパワハラで自殺したのは前に書いたとおりだ。
気の小さい人間は自ら命を絶つほど悩み、要領のいい人間は定年まで調子よくすいすい泳いでいく。それが会社というものなのか。
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