ちょうど知りたいことに触れられていたので、原口泉「西郷隆盛はどう語られてきたか」(新潮文庫)を買った。
第7章「右派・左派思想家に、どう語られてきたか 頭山満・北一輝らの崇拝と左派知識人からの敬遠」に目を通すと、だいたい過不足なく言及されていた。
さすが原口さんの目配りは侮れない。
先日、お父さんの原口虎雄著「幕末の薩摩―悲劇の改革者・調所笑左衛門」(中公新書)を手にする機会があった。
まえがきが面白かった。
「私は島津斉彬の水車館跡に誕生し、武村の西郷邸にも近く、順聖院様も西郷どんもごく身近な神様として感じていた。しかしその後県立一中に入り、調所派の重役吉利仲やお由羅の兄岡田半七の孫と親友になった」
お父さんのこうした蓄積が、原口泉さんにつながっているのだなあと思った。
ちなみに最近知ったのだが、原口氏の兄、原口邦紘さんは長年、外交史料館に勤めていたという(すでに定年退官)。その奥様は海音寺潮五郎の子孫らしい。
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