堤未果「核大国ニッポン」(小学館新書)読了。
衝撃的な内容で、今の世界に絶望するが、そのうちの一つが劣化ウラン弾。
劣化ウランとは、ウラン238を大量に含む、原発からの廃棄物。
この「核のゴミ」を利用して開発されたのが、劣化ウラン弾。
分厚い戦車の鋼板を貫通し、高熱で兵士を即死させ、放射性ガスを放出するという。
しかし、核兵器ではなく、通常兵器のカテゴリーで扱われている。
すでに湾岸戦争で320トン、イラク戦争で2200トンの劣化ウラン弾が使用された。
また、アフガニスタンで地下施設を破壊するために使われた、有名なバンカーバスター弾(金正恩殺害にも使われると噂されている)にも劣化ウランが大量に使用されているという。
アメリカでは、湾岸戦争帰還兵50万4047人中、約半数が体調の異変を訴え、37%が病気や障害で就労不能、9600人が1999年末の調査時点で既に死亡していた。
子供に障害が出る確率は、一般国民の4倍。
イラクやアフガニスタンからの帰還兵にも同じ症状が出ているという。
だが、米政府も米軍もWHOも、劣化ウラン弾による被曝≠認めていない。
日本が「世界で唯一の被爆国」と言おうが、オバマ大統領が「核なき世界」と演説してノーベル平和賞を受賞しようが、現実にはもう放射性物質が通常兵器≠ノよって世界に撒き散らされている。
著者は絶望してはいないようだが、もちろん答えもない。
刻一刻と北朝鮮と日米の衝突は迫っている…
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