今日のひとこと(記者の仕事)2025/06/01

新聞記者は毎日、答案を書き、採点されているようなものだ。入社間もないころデスクから言われた。取材成果が原稿になる。何も書かなければ零点。さぼればすぐにばれる。デスクが原稿をチェックするが、採点は最終的に読者からの励ましや叱責に表れる
~5月19日付産経新聞「産経抄」~


私も現役時代、新聞記者って毎日、試験を受けてるようなもんだなと、いつも思っていた。
ことさら新聞記者が他の仕事より大変だとは思わないが、毎日試験を受けるのはそれなりにしんどいことではある。
私の場合、文章を書くのが好きなので続いたが、そうでない人は内勤(見出しやレイアウトによる紙面づくり)を希望する人も少なくない。

ところが、外勤デスクを2年間やったときに、全く仕事をしない記者がいることに驚いた。
部下が6人いたのだが、言われなくても原稿を書くのは1人、普通に仕事するのが1人、ワンパターンの小ネタ(出席原稿とも言う)だけ書くのが1人で、あとの3人は全く仕事をしなかった。

自主性に任せたといえば聞こえはいいが、部下を働かせることができなかった私の責任も大きいと反省している。

だが、部員が仕事をしなかったおかげ?で、私の運命はある方向性を持つことになった。

私はこれまで林芙美子に関する本を4冊出してきた。
(あと、1章を林芙美子について書いた共著もある)
だから、どうして林芙美子なのか、と尋ねられることも多い。

真相を人に話したことはないが、このブログには書いている。

2020年10月16日付「もう一つのあとがき」。
https://restart.asablo.jp/blog/2020/10/16/9306239

新聞社を選択定年退職してから、林芙美子について書く仕事が精神的な支えになってきたのは確かだ。

沖縄の人たちは特攻隊に何を感じたか2025/06/03

沖縄の人たちは堕ちていく特攻機に手を合わせていた!
貴重な証言です。

『南京小説集』刊行求む!2025/06/06

私の知る限り、日本軍が落城させ占領した当時の南京を舞台にした小説が4つある。

石川達三「生きている兵隊」は有名だが、木村毅(き)の「名曲」と林芙美子の「河は静かに流れゆく」はあまり知られていない。

林芙美子の「黄鶴」は一昨年、中公文庫の『林芙美子大陸小説集 トランク』に入ったが、あとの作品もどこか刊行してくれないものか。

鹿児島の大雨が心配!2025/06/11

鹿児島市で時間55ミリという、とんでもない雨が降っているようだ。

与次郎の新聞社へ社員たちはたどり着けるだろうかと心配だ。

元々鹿児島市役所の前の一等地にあった新聞社が、不便で、大雨や台風といった災害にも脆弱な埋立地に移転。
災害時にはいち早く報道しなければならない立場なのに、社員が職場に通勤できないという笑うに笑えない状態。
自らの危機管理がまずなっていなかった。

このドタバタを「取材ノートのマンモス」という小説にした。
『現代鹿児島小説大系』(ジャプラン刊)の第2巻に収められている。
都道府県立の図書館にはあるかもしれないので読んでみて下さい(福岡県立と鹿児島県内の主要図書館には所蔵を確認)。
以下の記事を参考に。
https://restart.asablo.jp/blog/2019/10/15/9165284

通称使用ならいいのか2025/06/17

今から40年近くも前になるが、3つ下くらいの女性記者が社内結婚して、その後、旧姓のまま署名記事を書いていた。

本名でなければペンネームと同じだ。
会社員である新聞記者にペンネームなど許されない。
作家気取りか!ペンネームで記事を書きやがって‼と思った。

その頃は、通称使用とか夫婦別姓とかいう話題もなかったが、その記者はおかしな女性市議と仲が良かったので、なんか吹きこまれたのかもしれない。

誰かに注意されたのか、しばらくして結婚後の姓を署名にしていたが、隙あらば旧姓を使いたがる癖は治らなかった。

結婚したらさっと夫の姓に署名を切り替える記者の方が、気持ちが良くて好きだったな。